クライマー目線のエシカルなギアも選びたい
その他
クライマー目線のエシカルなギアが登場
エシカル消費は、「何かしらの犠牲の上ではなく、自分、そして他の人や社会、地球環境、自然にとってもよいものを積極的に選ぼう」という消費活動。もともと自然に挑むクライマー意識としてエコや環境に配慮した考えが広く認知されています。「ゴミは持ち帰る」「自然に残らない松ヤニ無しチョークを使用する」「プラスチック素材を避けて木製にする」などです。そういった意向を反映したギアがクライミングメーカーからも製作されるようになってきています。商品として形作られたモノだけでなく、その製造過程や利益反映の仕方も工夫。メーカーにとっての1つのアピールポイントであり、クライマーとしても購入の判断基準に取り入れやすくなってきました。
Soillは商品素材までを率先して改良するメーカー
Soillは商品素材までを率先して改良するメーカー
ジェイソン・モモアがソイルブランドのファンとしてギア製作に協力していることでも有名です。 ソイルはSo iLL(Southern Illinois、南イリノイ州)の略。最近ではOnTheRoamフレーズが印象的なEcoCamo(エコカモ)コレクションが登場。EcoCamoコレクションには、リサイクルポリエチレンテレフタレート(R-PET)と呼ばれるプラスチックボトルから作られた900Dキャンバスの素材が使用されています。カバン、チョークバック、Tシャツさらには大型クラッシュパッドが登場しています。印象的なカモのがsoillらしいインパクトあるデザインです。
アオコから原料を作り環境保全へ
アオコから原料を作り環境保全へ
soillのキャンバスシューズが話題になっています。富栄養化で湖岸や海辺に発生するアオコをなんとインソール材料に使用。アオコの種類によっては有害物質を生成。これらで実際に牛や羊、馬など家畜が被害を受けたり、健康被害が米国やオーストラリア、フィンランドなどで起こっています。アオコから樹脂を作り、除去することで水質改善や生態系保護につなげる仕組みです。またこのキャンバスシューズのアッパーは100%オーガニックコットン。アウトソールも焼却後の分解を助ける原料と混合する徹底ぶりです。本国アメリカでは、こうした取り組みを後押しするように欠品も起こっているほど人気です。
ギアを幅広く製造するSNAPはホールドも脱ポリウレタンへ
ギアを幅広く製造するSNAPはホールドも脱ポリウレタンへ
フランス・シャモニーで90年代に生まれたSNAP。新鮮な色使いが目を引く商品が多数。クライミングホールドはPU(ポリウレタン)と樹脂で作られています。同じ用途に代わるものは現在無いところです。SNAPでも同様でしたが脱プラスチックのため研究プロジェクトが立ち上げられており、近々脱プラスチック素材のホールドが登場するかもしれません。
サステナブルを目指したSNAPスリムジーンズパンツ
4方向ストレッチでタウンもアウトドアも快適なパンツ。シルエットがすらっとカッコよく足上げも快適で人気。コットン70%と17%リサイクルポリエステルを主原料。コットンはオーガニックのみ。従来のコットンよりも50%少ない水の使用量かつ農薬や化学肥料は使用していない生産方法。これにより農地への負担も大きく削減し、長く生産しても環境に負担をかけない原材料へも注力されています。まさにビジュアルや機能性が詰まったパンツ。
自然に還る代表格といえばウッドトレーニングギア
自然に還る代表格といえばウッドトレーニングギア
やはりクライマーのトレーニングなら木製。指先のフリクションが適度に発揮でき、岩に近い保持感を得られます。ビーストメーカーやテンションクライミングなど良く見かけるトレーニングギアも木が原材料。メトリウスのライトレールのような持ち運びギアも岩場にぴったり。もし、うっかり岩場に置き忘れたとしても確実に自然に還るのは安心。設置型のトレーニングボードもウッドの木目がインテリアに馴染むため浮かずに
新たに日本上陸!ルスタンのウッドギアシリーズ
新たに日本上陸!ルスタンのウッドギアシリーズ
「ルスタンとは何?誰?」と思う方もいることでしょう。簡単に紹介すると
2011~14年にかけてボルダリングWCの表彰台の常連
フラっとトライした8C/C+(V15/16)をわずか3日間で第2登
とボルダーにおいて間違い無く世界トップのクライマー。またホールドの中でもカチが強いという握る保持力に特化した実力でした。そんなルスタンによるトレーニングギアがウッド作りで登場。実際にグッぼるに到着した各種ギアは角の丸い削りも丁寧で驚きました。ありそうでなかった「ぶら下げピンチシリーズ」は3つの形状と厚みが細かく選べる仕様。ポケット、ピンチ、スローパーと鍛えたいポイントを個々に鍛えられるラインナップは圧巻です。
今後もエシカルなメーカー情報やギアを発信していきます
今後もエシカルなメーカー情報やギアを発信していきます
使い勝手や値段、品質はもちろん大切ですがエシカルな観点で作られたギア達は使っていても気持ちいいもの。また、そうしたメーカーが創意工夫を続ける姿勢はクライマーとしても応援したくなります。例えばSNAPが目標とするホールドのプラスチック素材の代替が上手く実現すれば、世界規模でクライミング業界で大量に廃棄されるホールドのプラゴミも削減されます。また、今後はさらにメーカー側で使用される素材や製造過程も見直される動きが出てくるでしょう。グッぼるオンラインにてそうしたクライミングギアのエシカルな側面までしっかりとお伝えできるように発信していきたいと思います。